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執筆者の写真YUKO OBA

そうは言っても、仙人みたいな生活はできない。中途半端でいいんでないの?


増えてしまった本を片付けようと思い、50冊くらい本棚から引っ張り出して近くの古本屋にもっていくことにしました。

と、その前に、まとめて写真を撮って本を読む友人たちに「読みたい本があったらあげる」と連絡しました。

おもしろいです。まず喜んでもらえますし、コミュニケーションのきっかけになります。そして、その人の頭の中が見えます(笑)。

古本屋に行く前に20冊近く里子に出しました。

で、これらは手放せないなと思った本のうち3冊に共通点あり。

どれも、過剰な資本主義社会がそろそろ終焉を迎え、時代が変わっていくであろうという内容です。2012年刊「脱資本主義宣言」、2015年刊「限界費用ゼロ社会」「物欲なき世界」。

実は、かつて流通系の仕事をしていたとき、「世の中にモノがあふれ、買って買ってとどの企業も声高に叫び、そのお手伝いをして収入を得ている自分」にどうもなじめなくて、しばらく悩んでいました。私は広告する側の人間であるけれども、いち消費者でもあるわけですから、その狭間で悩みました。

ただ、自分の仕事に否定的になると仕事ができなくなるので、自分の仕事は「より良い選択肢を提示する」ことと考えるようになり悩みは消えました。

とはいえ、やはり過剰な資本主義についての疑問は残り…いつからかクルマのコマーシャルに「モノより思い出」なんてキャッチコピーが出てきて…ミレニアルズという若い世代の新しい価値観がもてはやされるようになり…エシカルなんて概念も出てきて…こころの時代、人と人との絆なんて言われたりして…お金×消費と社会と人との関わりとか色々なことが変わってくるようになりました。

「限界費用ゼロ社会」では、シェアリング・エコノミーという言葉を初めて知りましたが、いまじゃすっかり利用している人も多いですよね。あっという間。

「物欲なき世界」は、いま読んでも同意できることがたくさん書かれてあり、まだまだ生き方の参考になります。

以下は「物欲なき世界」に書かれていた「フード&カンパニー」の経営者の話です。

ーーーーー純粋にオーガニックな生活を実践しようと思えば、人里離れて隠居するしかないわけです。でもオーガニックの考え方を広めようと思ったら、都会に住みながらオーガニックを広めるという矛盾を受け入れる必要があります。(中略)自分たちの純粋な世界に閉じこもるか、世界に影響を与えたかったら、その枠から出て行って中途半端なことをやるしかない。ーーーーー

そう、もはや現代人は仙人みたいな生活はできない!私自身、買い物にだいぶ魅力を感じなくなってきましたが、NHK「世界はほしいものにあふれてる」などを見るとものすごくテンションが上がったりもします。すると、どちらの世界も自由自在に行き来しつつ、より多くのことを考えて消費をして生きることになるのかなと思います。また、商品やサービスのキャッチコピーを考えるとしてもより本質に迫らないといけないんだろうなと思います。

最近では、新しい仕組みを提供して新しい社会をつくっていく企業の仕事の依頼なんかもきたりして。すると「うぉ〜〜おもしろ〜〜い!」「自分も同じこと考えてた〜〜」とワクワクするのです。

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