春から、恵比寿の駅ビルの屋上で6人の仲間と畑をやっています。正直、年会費は高いです。収穫した野菜はスーパーで買うよりうんと高くなります。さらに、いくら近くても恵比寿まで2路線使うので往復600円くらいかかります。たまに畑仕事の後にランチをするので、ランチ代もかかります。相当セレブな野菜になります(笑)。
しかし、これが会費の安いちょっと遠いシェア畑だったらやらないんですよ。行くのがめんどうだから。やはりアクセスしやすい場所にあり、道具はすべて揃っていて、朝夕の水やりをスタッフが担ってくれ、わからないことがあったらその場で質問できる環境にあるから気軽にやってみよう!となる。
ベランダ菜園じゃだめなのか?というと、ベランダはプランターで育てることになり、
たくさんの野菜がつくれないので物足りないのです。栄養がなくなった土の処理や使わなくなったプランターの置き場所とか、めんどうなこともあります。それでも、やっていることはやっていますが。
おもしろいことに、畑で少しコツをつかんだのか、毎週日曜日にEテレ「野菜の時間」を見ているからなのか、今年の夏はベランダの野菜がよく育ちました!ということで、畑をやると、畑に行かない時間も野菜(植物)が気になり、ベランダでもきちんと育てたいと思うようになるんですね〜。
ちょっと前なら、都会で土いじりがビジネスになったかというと、きっとならなかったと思うんですね。でも、安心でおいしいものを食べたいとか土に触れたいとか考える人は増えているんでしょうね。成長、収穫のよろこびも、毎日の小さなしあわせにつながりますし。何年もリピートしている会員さんも多い理由がわかります(我々も継続!)。
また、最近ではぬか床をあずかってくれる発酵食品屋さんもできましたね。お店のスタッフがぬか床を管理してくれて、お客さんがお店に行って野菜をぬかから取り出して持って帰るというシステムらしいです。
これ、畑と同じやり方ですよね。めんどうなところをスタッフが担ってくれる。
だって、ぬか漬けって憧れるけれど自分でやるにはハードルが高い(気がする)。いや、気がするだけなんです。始めてみるとものすごく簡単だというのに。
私も「いいな」と思ってから自分で始めるまで3年くらいかかりました。毎日かきまぜる必要はなく、冷蔵庫に入れっぱなしにしておけば1週間くらい何もしなくても平気だし、キッチンで少しだけ余ってしまった野菜や畑で中途半端な量を収穫した野菜はぬかに漬ければOKです。うっかり漬けすぎたときは、細かく刻んでサラダやチャーハンに入れればいいし。発酵食品なので、なんとな〜く、おなかの調子がよくなったような…。
でも、やっていない頃は、そんなこと一切知らなかった、いや知ろうとしなかった。それなのに、ただ「めんどうなんでしょ?」と勝手に思い込んでいました。
そう、「ていねいな暮らし」に憧れるけれど続きそうにないなあ、ハードル高いなぁと思う人の心理に入りこむと、ビジネスが生まれるのかもしれませんね。
そういえば、発酵食品屋さんのお兄さんが
「働き方も、生き方も発酵みたいなものにシフトしている」とか、そんなニュアンスのことを言っていました(はっきり覚えていませんが)。
やっぱり、自分をいつわって生きるのではなく、自分がここちよく働けて、ここちよく生きられるのがいいなと思います。そのために、周囲の人を大切にしたり、自然に敬意を払ったり、生きることの本質を考えたり。そうしながら、徐々に人間としての深みが出ていくようになればいいんですよね。
人間も、発酵!!