数年前、ある女医さんにインタビューしたことがあります。
「どうして医者になったんですか?」と聞いたら、
「人を救いたいとか、高尚な理由がなければいけないわけ?親が医者だったから!」と
のっけから言われました。
確かに。医者=人徳者とは、決めつけてはいけない。
いや、決めつけたわけでもないのですが…。
でも、言っていることは真っ当だったので
「ああ、そうですか。あはは」と爆笑してしまいました。
話を聞くと、医者になったのはそう深い理由はなく、
うつを経験し、やっとの思いではいあがり、
医療ボランティアもやり、テレビでも活躍し、
地道に校医なんかもやって、もがきながらも、前に進んできた方でした。
活躍している人って、ぱっと見、華やかだったり、
肩書きがすごかったりしますが、やっぱり、人は人。
悩んだり、努力したりしているんですよね。
しかも、我々庶民の何倍も。
だから、表舞台に出られるんですよねぇ〜。
取材・インタビューから学ぶことは、とても多い。
なんとも不躾ではありますが、たった1時間程度で、
ぐっと、その人のこころの奧まで聞いちゃうんですから。
誰にも話したことのないようなことを話すというのは、
普通、知り合ってすぐの人には、しませんから。
でも、そのこころの奧にあるものって、相当、力強いので、
わたくし、取材・インタビューのあとは、影響されまくって、
パワー全開になるんです。あはは。
さて、女医さんのインタビューに話を戻します。
インタビューが終わって、彼女からおもむろに、ひとこと言われれました。
「大丈夫。ちゃんとアンテナ立ててがんばっていれば、道は見えてくるよ」
え〜っ、私、そんなに迷える仔羊みたいな顔していたのかな?
いやいや、多分、違うんですよ。
かんたんに前に進める人なんて、ひとりだっていない。
昔から、みんなそうやって生きているんだ。
ということを、彼女は経験から知っているし、
周りの人からもたくさん助けてもらったんでしょうね。
だから、人にやさしいことばをかけられる。
「先生、ありがとう。たいぶ、見えてきましたよ!」